就活はやるべきことがたくさんあり、期限もあるため、取捨選択が重要です。
何を優先して何をやらないべきか、徹底的に無駄をなくす必要があります。
本記事では、日系大手メーカーの元人事&国家資格キャリアコンサルタントの筆者が、「就活生がやりがちだけど、実はやらなくていいこと」を実体験もふまえて解説します。
逆に「就活で時間をかけるべき重要なこと」も紹介しますので、最小限の労力で内定獲得したい方はぜひ参考にしてください。
・就活で実はやらなくていい無駄なこと
・逆に時間をかけるべき重要なこと
・就活の効率を高める方法
目次
就活で実はやらなくていい無駄なこと7選
就活でついやりがちですが、実はやらなくていい無駄なことは次の7つです。
1.SNSで就活アカウントをつくる
2.自分史をつくる
3.友だちに他己分析を依頼する
4.資格やTOEICの勉強をする
5.名前しか知らない企業の記念受験
6.ESの書き方にこだわりすぎる
7.お祈りメールを何日も引きずる
「完全に無駄」「やったらダメ」というわけではなく、そこに時間をかける必要はないという意味です。
それぞれ、理由を詳しく解説していきます。
1.SNSで就活アカウントをつくる
X(旧Twitter)で就活アカウントをつくり、就活生同士で積極的に交流するのはオススメしません。
最初は楽しくても、就活が本格化するにつれ、自慢話やネガティブな情報が飛び交い、見ているだけで疲弊してしまいます。
先に内定が決まった人を見て、必要以上に焦ったり落ち込んだりすることもあるでしょう。
SNSは、企業情報やニュースなど、リアルタイムの情報を収集するのには便利ですが、タイムラインのチェックが習慣になってしまうと、時間を無駄にしてしまいます。
就活仲間がほしいなら、不特定多数の人が無責任に発言するSNSより、就活カフェやデアイバなどのリアルな場で交流する方がオススメです。
▶︎デアイバ(DEiBA)の評判・口コミは?採用の裏側を知る元人事が解説
SNSの公開アカウントはリスクしかありません。
就活情報が知りたいだけなら、非公開アカウント or 見る専にしましょう。
2.自分史をつくる
これまでの人生の振り返り、時系列で出来事や経験を整理する「自分史」。
自己分析の手段として有名ですが、個人的にはオススメしません。
なぜなら、時間がかかるわりに表面的な振り返りになってしまうからです。
自己分析で大事なのは、出来事や経験の「深掘り」。
「何をしたか」より、「なぜやろうと思ったか」「どのようにして乗り越えたか」と深掘りしていくことで、自分の価値観や強みが見えてきます。
それに就活では、組織やチームの中で発揮される強みが重要です。
そのため、幼少期から今までのことをすべて振り返るより、高校や大学時代にしぼって深掘りした方が効率よく自己分析できます。
自分史を作ること=NGというわけではありません。
「振り返っただけで満足しないこと」がポイントです。
3.友だちに他己分析を依頼する
他己分析を友だちに頼むのは、あまり意味がありません。
依頼したところで、優しい・気が利く・努力家などといった抽象的で思いやりのある意見しか得られない可能性が高いからです。
就活で大事なのは「仕事で活かせる強み」です。
そのため他己分析を頼むなら、就活経験や社会人経験のある先輩に頼む方がよいでしょう。
それに、就活の自己PRやガクチカで大事なのは、「なぜやろうと思ったか」「どのようにして乗り越えたか」など、自分にしかわからない原動力や過程の部分です。
自分にはなかった視点や客観的な意見が得られるのが他己分析のメリットではありますが、それなら自己分析ツールで十分だと個人的には思います。
▶︎【面接官おすすめ】無料の自己分析ツール3選|活用時の注意点も解説
友だちを頼るなら、他己分析ではなく壁打ちやブレスト形式がオススメ。
互いに意見を出しあう&フィードバックをもらうことで自己分析を深められます。
4.資格やTOEICの勉強をする
就活のために資格やTOEICの勉強を慌ててするのはオススメしません。
もともと語学力に自信があったり、昔から勉強を続けていて、記録を更新する意味で受験するならいいですが、就活のために今から勉強をはじめるのは悪手です。
とくにTOEICの場合、語学力をアピールするなら最低でも700点以上、800〜990点のハイスコアでやっと有利に働くレベル。
勉強よりも、自己分析や面接対策に時間を当てたほうが、効率よく内定獲得に近づけます。
5.名前しか知らない企業の記念受験
「ES期限がもうすぐらしい、とりあえず出してみるか」で合格できることはほぼありません。
有名企業や人気企業にエントリーしないのは何となくもったいない気がしてしまいますが、事業内容や働き方もよくわかっていないのに記念受験するのは時間の無駄。
書類選考や一次面接は合格できたとしても、志望動機を深掘りされる二次面接以降は突破できません。
少しでも興味がある会社ならOKですが、たいして行きたくもない会社にエントリーするくらいなら、まだ知らない優良中小企業を探す時間に当てたほうが得策です。
6.ESの書き方にこだわりすぎる
ESの書き方にこだわりすぎるのも危険です。
自己PR・ガクチカ・志望動機などは、書き方よりも中身が大事。
小手先のテクニックでどうにかするよりも、内容を充実させてブラッシュアップする方が効果的です。
ESの書き方は、以下の3つを押さえておくだけで十分です。
- 結論からわかりやすく書く
- 数字を使って具体的に書く
- フレームワークを活用する
→自己PRや志望動機は「PREP法」
→ガクチカは「STAR法」
また、効果的に自己PRするためには、志望企業の「求める人物像」によせてアピールするのもポイントです。
求める人物像とは、「こんな人に内定を出します」という意味。各社の採用サイトに載っているので、必ずチェックしましょう。
▶︎求める人物像とは?知らないと損する就活のキホンを元人事が解説
さらに、応募者が多い人気企業は、ESよりSPIなどの適性検査を重視する傾向にあります。
SPIで足切りされてしまったら意味がないため、ESを何度も書き直すより、Webテスト対策に時間を割いた方がよいでしょう。
7.お祈りメールを何日も引きずる
企業からの不採用通知はかなり落ち込みますが、自己否定や自己嫌悪したり、何日も引きずるのはよくありません。
基本的に不採用となる要因は次の5つ。
- 求める人物像とマッチしない
- コミュニケーション能力が低い(と判断された)
- 清潔感がない(と判断された)
- 企業理解が浅い
- 熱意が感じられない
上記を参考にして、自分が不採用となった原因を推測し、今後の面接や企業の選び方を改善していきましょう。
また、気持ちの切り替え方や、自分の労わり方をあらかじめ決めておくのもオススメです。
お酒はストレス発散につながらない(不安やイライラが増す)ので、
・運動する
・誰かとおしゃべりする
・美味しいものを食べる
・ポジティブになれる音楽を聴く
・ゆっくりと湯船に浸かり、早めに就寝する
あたりがよいでしょう。
自分を責めてしまいがちな方は、以下の記事もあわせて読んでみてくださいね。
▶︎就活がしんどいのは「認知のゆがみ」が原因かも?心を軽くする対処法を解説
逆に就活で時間をかけるべき5つのこと
逆に就活で時間をかけるべきことは次の5つです。
- 自己PR
自分の強みと、その根拠となるエピソードを整理する
- ガクチカ
主体性や課題解決力をアピールできるよう、「なぜやろうと思ったか」「どのようにして課題を乗り越えたか」を深掘りする
- やりたいこと(就活の軸)を明確化する
自分の価値観や原体験を整理し、やりたいことやこだわりたい条件を言語化する(原体験=自分の生き方や考え方に大きな影響を与えた過去の経験) - 自分にあう企業を探す
ナビサイト・逆求人サイト・四季報・就活イベントなどを駆使して、3とマッチする企業を見つける
- 志望動機に説得力をもたせる
3をふまえて業界研究&企業研究し、「なぜこの業界/企業なのか」「入社して何を実現したいのか」をESや面接でしっかり伝えられるようにする
前述の「やらなくていいこと」をやめて、上記に時間を割くようにしましょう。
業界研究のやり方は、以下の記事で解説しています。
▶︎業界研究のやり方を元人事が解説|おすすめの本・サービスも紹介
もし「やりたいことがない」という場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
▶︎【就活】やりたいことはなくてOK!0からはじめる方法を元人事が解説
就活の効率を高める3つの方法
最後に、就活の効率を高める3つの方法をご紹介します。
1.JOBTV
2.ストレングス・ファインダー
3.逆求人サイト
それぞれ詳しく解説します。
1.JOBTV
合同企業説明会に足を運ぶより、「JOBTV」で企業説明動画を見る方が効率よく情報収集できます。
業界ごとに動画が並んでいるため、業界研究もはかどります。
- 大手からスタートアップまで200社以上の企業説明動画が見放題
- 自宅で好きなときに見れるため、合同説明会より効率的
- 業界トップ企業の説明会動画も見られる(Amazon・KIRIN・ソフトバンク・電通・三井住友銀行など)
通称「就活版Netflix」。倍速視聴やスキップも可能です。
通常の説明会だと途中退席できませんが、JOBTVなら飽きた瞬間、いつでも停止 or 他の企業に切り替えられます。
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2.ストレングス・ファインダー
アピールできる強みがわからないなら、自己分析ツールで客観的かつ科学的に「強み」を見つけるのがオススメです。
これまでの経験を振り返ることで強みを見つけるのではなく、まず強みを明らかにして、強みが発揮されたエピソードを探す「逆算」の方法です。
自己分析ツールの中でとくにオススメなのが、全世界で3,000万人以上が利用している「ストレングス・ファインダー」。
有料の適性検査ではありますが、非常に精度が高く、自分では見つけられなかった意外な強みを発見できます。
診断結果の解説には、自分と同じ強みをもつ人が、どんな場面でどんな行動をしがちか、具体的な活躍エピソードがのっています。
そのため解説を読んでいくうちに、「私もそういえばあのとき…」と強みが発揮されたエピソードや場面を自然に思い出せるでしょう。
ストレングス・ファインダーの詳細は、以下の記事で解説しています。
▶︎ストレングス・ファインダーとは?就活への活かし方を元人事が解説
3.逆求人サイト
企業からスカウトが届く「逆求人サイト」を活用すれば、企業探しの手間が省けるうえに、書類選考や一次面接などが免除される特別選考ルートにのれます。
逆求人サイトとは
企業側が学生のプロフィールを見て、「うちの選考を受けませんか?」とオファーを送る就活サイトのこと。
各社の採用担当が適性を見たうえでスカウトするため、自分の価値観とあう企業や、自分では見つけられなかった隠れ優良企業と出会えるのがメリット。
登録&プロフィール入力したら、企業からのスカウトを「待つだけ」。就活を効率的かつ有利に進められます。
オススメの逆求人サイトは以下の記事で紹介していますので、ぜひ今すぐ登録しましょう。
▶︎逆求人サイトおすすめランキングTOP7|元人事が厳選&徹底比較
まとめ:無駄をなくして最短ルートで内定獲得しよう
就活はやるべきことがたくさんあり、期限もあるため、取捨選択が大事です。
ぜひ本記事を参考にして、今は何をすべきか、何を優先して何をやらないべきか、最短ルートで内定獲得するために、就活の取り組み方を見直してみましょう。
また前述の通り、効率よく就活するなら逆求人サイトの活用がオススメです。
ESを書かずに優良ベンチャーの持ち駒を増やしたい方は、キャリアチケットスカウトを活用してみてください。
▶︎キャリアチケットスカウトの評判・口コミは?元人事が徹底解説
あなたの就活が上手くいきますように。
本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。