就活でオンライン面接を受けることとなり、前日までに何を準備すべきか、当日はどんな点に注意すべきか、不安や焦りを感じている人は多いと思います。
そこで本記事では、累計1,000人以上とオンライン面接した元人事の筆者が、オンライン面接の注意点と印象UPのポイントを解説していきます。
・オンライン面接の注意点
・印象が悪い学生の特徴
・印象がよい学生の特徴
・トラブル発生時の対処法
・面接マナーFAQ
(スマホ・背景・入退室・服装・カンペ)
目次
オンライン面接(Web面接)の注意点
オンライン面接(Web面接)の流れや内容は、基本的に対面の面接とほとんど同じです。
しかし、タイムラグが発生したり、音声が乱れたりなど、コミュニケーションの取りにくさから苦手意識をもつ人は少なくありません。
そこで、オンライン面接特有の「コミュニケーションの取りにくさ」を最小限に抑え、失敗しないためのポイントを紹介します。
前日までに準備すべきこと
まずは、オンライン面接の前日までに準備・確認すべきことを5つ紹介します。
1.インターネット環境を整える
2.部屋の環境を整える
3.マイク付きイヤホンで音質を高める
4.スタンドでカメラと目線の高さを合わせる
5.専用ライトで明るさを調整する
それぞれ詳しく解説していきます。
1.インターネット環境を整える
インターネット回線が不安定だと、映像・音声にラグが発生したり、面接の途中で接続が切れてしまう恐れがあります。
オンライン面接に適した通信速度は、下り・上りともに10Mbps以上。有線(LANケーブル)接続だと、速度・安定性がさらに増します。
「通信速度測定ツール」を使い、事前にインターネット環境を確認しておきましょう。
2.部屋の環境を整える
周囲の音がうるさいと、コミュニケーションが取りにくくなるうえに、面接官からの印象も下がってしまいます。
面接を受ける場所は、雑音が入りにくい個室が理想です。もし自宅で受けるのが難しい場合は、レンタルスペースを利用しましょう。
また、背景に余計なものが映り込まないよう整理整頓しておくのもポイントです。
3.マイク付きイヤホンで音質を高める
マイク付きイヤホンを利用すると、面接官の声が聞き取りやすくなり、自分の声も届きやすくなります。
マイク(スピーカー機能)が内蔵されているPCだとしても、わざわざマイク付きイヤホンを用意する価値があるくらい、音質が一段と高まります。
ワイヤレス(無線)イヤホンでもかまいませんが、音が途切れたり、充電が切れたりするリスクのない有線イヤホンがオススメです。
4.スタンドでカメラと目線の高さを合わせる
カメラの位置と目線の高さが合っていないと、高圧的な表情に映ってしまい、面接官からの印象が下がってしまいます。
スタンドを利用することで、PC・スマートフォンのカメラ位置と目線の高さがちょうど同じになるよう調整しましょう。
もしスタンドの用意が難しい場合は、本などを積み重ねて高さを調整してもOKです。
5.専用ライトで明るさを調整する
画面が暗いと表情がわかりにくくなり、熱意も伝わりにくくなります。
部屋の照明だけでは明るさが足りなかったり、顔に影ができてしまったりする場合は、専用のライトを用意しましょう。
ちなみに私が愛用しているこちらのライトは、3段階で明るさ・色味を調整できます。白くなりすぎず、血色のよい表情に映りますよ。
当日気をつけること
次に、当日の注意点を3つ紹介します。
1.各デバイスを充電しておく
2.スマホはサイレントモードにしておく
3.5〜10分前にはログインしておく
それぞれ詳しく解説していきます。
1.各デバイスを充電しておく
面接中に電源が落ちないよう、各デバイス(PC・スマホ・イヤホン・ライト)を充電しておきましょう。
とくにワイヤレスイヤホンは、他デバイスと違って充電しながら利用できないため、事前にフル充電しておく必要があります。
2.スマホはサイレントモードにしておく
面接中に通知音が鳴らないよう、スマートフォンやアラームに注意しましょう。
バイブレーションも鳴らない「サイレントモード」の設定がオススメです。
3.5〜10分前にはログインしておく
5〜10分前には指定のシステムにログインし、通信環境やカメラの見え方(画角・背景・明るさ)を確認しましょう。
時間に余裕をもってログインし、事前チェックをもれなく行うことで、万全の体勢で面接に臨めます。
【実例】面接官から見て印象が悪かった学生の特徴
続いて、累計1,000人以上とオンライン面接した元人事の筆者が、残念に感じてしまった就活生の実例を紹介します。
失敗例から学び、同じミスをしないよう注意しましょう。
1.カンペを読み上げている
2.部屋が散らかっている
3.雑音だらけのカフェで受けている
4.服装に清潔感がない
5.表情が暗い
それぞれ、印象が悪くなる理由を面接官の視点で解説していきます。
1.カンペを読み上げている
オンラインならバレないだろうと、カンニングペーパーを用意する人は意外と多くいます。
パッと一瞬だけ見る分には問題ありませんが、カンペをそのまま読み上げてしまうのはNG。
面接官にはバレバレですし、会話や説明が苦手な人と判断されてしまいます。
面接では、「回答の内容」以上に「コミュニケーション能力」が重視されます。カンペではなく、相手の目を見て話しましょう。
2.部屋が散らかっている
散らかっている部屋が画面に映り込んでしまっている人も、残念ながら多くいました。
「部屋が汚いから不合格」となることはありませんが、だらしのない印象を与えるうえに、面接への本気度が低い(準備不足)と判断されてしまいます。
また、面接の中でどんなに「努力家」「真面目」などとアピールしても、部屋の整頓ができていないと説得力に欠けてしまうでしょう。
3.雑音だらけのカフェで受けている
かなり珍しい事例ですが、カフェやファミリーレストランでオンライン面接を受けている人もいました。
何らかの事情でちゃんとした場所を用意できなかったのかもしれませんが、準備不足な人・TPOをわきまえられない人と判断せざるを得ません。
面接に対する熱意も感じられませんし、雑音が多くて互いの声が聞き取りにくく、非常に残念なケースでした。
4.服装に清潔感がない
これもかなり珍しい事例ですが、ジャージでオンライン面接を受けている人もいました。
もちろん服装によって合否を判断することはありませんが、TPOをわきまえられない人だと思われてしまうでしょう。
オンライン面接では「私服OK」の企業も多いですが、対面面接と同様に清潔感が大事です。
第一印象で損することのないよう、身だしなみには十分気をつけましょう。
5.表情が暗い
対面の面接でもいえることですが、表情がずっと暗い人はコミュニケーション能力が低いと判断せざるを得ません。
面接では、「一緒に働きたい」と思わせる元気のよさや愛嬌も大事です。
緊張で表情がこわばってしまうかもしれませんが、ハキハキと笑顔で話すことを意識しましょう。
また、オンラインだとお辞儀を忘れがちです。対面面接と同様に、最初のあいさつ・最後のお礼のタイミングできちんと一礼しましょう。
【実例】面接官から見て印象がよかった学生の特徴
今度は逆に、安心して面接を進められたパターンや、感動するほど好印象だった就活生の実例を紹介します。
どれも、何か特別なことをしたわけではありません。誰でもすぐに実践できる内容なので、ぜひ真似してみてください。
1.事前準備が完璧
2.音声に問題ないか、自分から聞いてくれる
3.聞き取りやすいスピードで話してくれる
4.適度にうなずいてくれる
5.聞き取れなかったときは素直に聞き返してくれる
それぞれ実例をもとに、面接官の視点で解説していきます。
1.事前準備が完璧
事前準備で第一印象が決まるといっても過言ではありません。
インターネット環境・画角・画面の明るさが完璧だと、事前にしっかり準備している真摯な姿勢や熱意が伝わり、面接官からの印象がよくなります。
また、画面が明るいと表情も明るく感じられ、背景がシンプルだと清潔感が増します。
2.音声に問題ないか、自分から聞いてくれる
「音声や映像に問題はありませんか?」と、面接のはじめに企業側が状況確認するのはよくあることです。
しかしこのとき、「大丈夫です」と答えるだけでなく、「こちらの音声は聞き取りづらくありませんか?」と聞き返してくれた人は、気遣いが感じられてとても好印象でした。
自分の声がしっかり届いていることがわかれば、その後安心して話せるようにもなるため、一石二鳥の面接テクニックです。
3.聞き取りやすいスピードで話してくれる
対面の面接と比べて、声が聞き取りづらいオンライン面接。はっきりと聞き取りやすいスピードで話してくれる人は、非常に好印象です。
コミュニケーションが取りやすくなるのはもちろん、自信があり、堂々とした印象を面接官に与えられます。
また、しっかりカメラを見て話すと説得力が増し、熱意が伝わりやすくなります。
4.適度にうなずいてくれる
オンライン面接では、面接官側も「自分の声や話は、ちゃんと相手に伝わっているだろうか」と不安に感じています。
そのため、適度にうなづきながら話を聞くのが印象UPのコツです。
コミュニケーションが取りやすい人・真剣に話を聞いてくれる人という印象を与えられ、面接官は心地よく会話できるようになります。
5.聞き取れなかったときは素直に聞き返してくれる
音声が途切れて面接官がなんて言ったかわからなかった場合、聞き返すのをためらってしまう人は多いかもしれません。
しかし、聞き返すのは全然失礼ではないですし、むしろ素直に聞き返してくれた方が好印象です。
面接官の発言内容がわからないまま何となくで回答してしまうと、「質問の内容と回答がズレている」と判断されかねません。
聞き取れなかった場合は、わかったふりをするのではなく「すみません。音声が途切れてしまったので、もう一度よろしいでしょうか?」と素直に申し出ましょう。
もし当日、通信障害が起きてしまったら?
どんなに準備していても、「当日トラブルが起きてしまったら?」と不測の事態を心配する人は多いと思います。
しかしほとんどのトラブルは、Wifiをつなぎ直したり、イヤホンの設定を変えたりすれば、すぐに解決するので安心してください。
それに万が一トラブルが発生しても、オンライン面接に慣れている人事が一緒に解決策を考え、指示を出してくれるはずです。
すぐに解決できなさそうな場合でも、別ツールを案内したり、日延べしたりなど、あらゆる方法で企業側が対処してくれるでしょう。
【面接マナーFAQ】スマホ・背景・入退室・服装・カンペ
最後に、オンライン面接(Web面接)でよくある質問について、元人事の視点で回答していきます。
1.スマホで受けても大丈夫?
2.バーチャル背景はアリ?
3.入退室のマナーってあるの?
4.服装はスーツの方がいい?
5.カンペがバレないようにするには?
それぞれ詳しく説明していきます。
1.スマホで受けても大丈夫?
オンライン面接は、スマートフォンで受けても問題ありません。使用するデバイスによって評価が変わることはないので安心してください。
ただオンライン面接では、最後に今後のスケジュールを案内されたり、トラブル発生時に面接官から電話がかかってきたりすることも考えられます。
その際、スマホ一つで対処しようとすると、操作が遅れたり、わずらわしく感じたりするかもしれません。
快適にオンライン面接を進めるためにも、可能な限りPCで受けることをオススメします。
2.バーチャル背景はアリ?
バーチャル背景の設定はオススメできません。
背景の種類によっては「TPOをわきまえられない人」だと判断されかねませんし、背景のインパクトが強いと話が伝わりにくくなります。
また、背景と同化して顔や身体の一部が見えなくなってしまうことも考えられます。
ツールによっては背景を設定できないものもあるので、最初からバーチャル背景は設定できないものだと思って面接に臨んだ方がよいでしょう。
3.入退室のマナーってあるの?
特別なマナーはありません。元気なあいさつと終了時の一礼ができれば大丈夫です。
画面がつながったら「◯◯大学の◯◯(名前)です。よろしくお願いします。」と元気よく笑顔であいさつ。
そして、面接が終わったら「ありがとうございました」とお辞儀し、「失礼します」といって接続を切りましょう。
ノックや着席などのマナーがない分、オンライン面接の方が気楽かもしれません。
4.服装はスーツの方がいい?
オンラインであっても、面接はスーツで参加するのが基本です。
企業から「私服でお願いします」といわれた場合のみ、清潔感のあるオフィスカジュアルな服装で参加しましょう。
「私服OK」「服装自由」など、「何を着てもいいですよ」というニュアンスならスーツ、「私服推奨」「私服でご参加ください」など、私服が指定されている場合のみオフィスカジュアル、と判断するのが無難です。
それでも心配な方は、リアルな選考情報があつまる「就活ノート」で前年度の様子を確かめてみましょう。
5.カンペがバレないようにするには?
カンニングペーパーは、面接官にバレる可能性が非常に高いためオススメできません。
マナーとしてもよくありませんし、カンペを使うと話し方が不自然になり、コミュニケーション面の評価が下がってしまうでしょう。
それでも「緊張で頭が真っ白になってしまう」「カンペがないと不安でしかたない」という人のみ、次の方法を検討してみてください。
1.PCのディスプレイにふせんをはる
2.PCのメモツールを最前面に表示する
どちらも場合も、箇条書き程度のメモとし、カンペの位置はできるだけカメラの近くにするのがポイントです。カンペを見るのに目線が下がってしまうと、面接官に違和感を与えてしまいます。
何度も繰り返しますが、カンペは推奨できません。できる限り自分の言葉で話し、カンペは「お守りとして用意しておく」くらいがよいでしょう。
オンライン面接(Web面接)は、事前対策が成功のカギ!
オンライン面接(Web面接)は、事前準備と少しの工夫で大きく印象を上げられます。
ぜひ今回紹介した注意点や印象UPのコツを参考にし、万全な状態で面接を受けられるようにしましょう!