最終面接は、これまでの面接と評価ポイントが異なります。
社長や役員クラスの面接官が、企業との相性や入社意欲をチェックするため、1次〜3次面接と同じような逆質問では不合格になってしまう可能性が高いです。
本記事では、【日系大手企業の元人事&国家資格キャリアコンサルタント】の筆者が、最終面接ですべき逆質問と面接官が見ているポイントを解説します。
・最終面接ですべき逆質問の例
・逆質問のポイントや考え方
・企業側の事情や本音
目次
最終面接の逆質問は「熱意のアピール」が大事
1次〜3次面接を通じて、適性やスキルの見極めはほぼ終了しています。
そのため最終面接は、これまでの選考を突破した優秀な学生の中から、とりわけ志望度が高くて熱意のある人材を厳選していく工程になります。
したがって「聞きたいことを聞く逆質問」ではなく、「熱意を伝えるための逆質問」をしなければ、最終面接は突破できません。
また最終面接は、社長・役員・人事部長などの重役が担当し、「社風とあっているか」「一緒に働きたいと思えるか(謙虚さ・素直さ・愛嬌など)」などもチェックしています。
そのため次のポイントを押さえ、効果的な逆質問を用意しましょう。
1.社長クラスだからこそ聞きたいことを聞く
→事業方針や今後の展望に関する質問がオススメ
→福利厚生や現場の業務に関する質問は△
2.入社を前提としたポジティブな質問をする
→企業をジャッジしようとする上から目線の質問や態度はNG
3.面接官の回答は、笑顔でうなずきながら聞く
→質問に答えてもらっているときの態度も重要
→「興味がある!聞けて嬉しい!」という表情で熱心に聞く
質問内容はもちろんですが、回答に対するリアクションも意外と大事。
「へ〜(真顔)」より「そうなんですね!(キラキラ)」の方が、一緒に働きたいと思ってもらえます。
入社を想定したポジティブな質問なら、自然と熱意が伝わり、好印象を与えられます。
もし逆質問が思い浮かばない場合は、以下の情報を調べてみて「なぜ?」「どうやって?」と疑問に思ったり、興味がわいたことについて聞いてみましょう。
・業界や企業の最新トピックを調べる(新聞・ニュース・コーポレートサイト)
・社長や役員の経歴を調べる
・IR情報を見る
最終面接ですべき逆質問7選
前述の通り、最終面接では入社を前提とした熱意をアピールできる逆質問がオススメです。
たとえば以下の質問をしてみましょう。
1.新規事業を立ち上げた想いや背景
御社の主力事業は◯◯ですが、今年から△△事業も展開しはじめたのは、どのような想いや背景があったのでしょうか。
2.現状の課題
御社は◯◯という目標(経営計画や業績目標)を掲げていますが、現時点で課題を感じている部分はありますか。
3.今後の展望
私は語学力に自信があるのですが、御社は今後、海外進出する可能性はありますか?
4.希望部署で求められるスキル
私は将来、商品企画に携わりたいと考えているのですが、商品部でもっとも必要とされるスキルとはどのようなものでしょうか。
5.企業文化を表すエピソード
御社の◯◯という企業文化(理念)にとても惹かれているのですが、その企業文化を表すエピソードがあれば教えていただきたいです。
6.新入社員に期待すること
新入社員(若手社員)に期待することは、どのようなことでしょうか。
7.仕事をするうえで大切にしていること
仕事をするうえで大切にしていることや、信念としていることがあれば教えていただきたいです。
それぞれ、オススメする理由と質問する際のポイントを解説していきます。
1.新規事業を立ち上げた想いや背景
新規事業に関する質問は、今後の事業方針に対する理解を深められる内容かつ、社長や役員が熱く語れる内容のためオススメです。
相手が気持ちよく話せる&ポジティブな話題のため、企業に対する熱意を伝えつつ、場の雰囲気を明るくできます。
ただし、この手の情報は採用サイトに大々的に載っている場合もあるので注意が必要です。
「採用サイト見てないの?」とならないよう、事前に採用サイトをチェックしておきましょう。
2.現状の課題
課題やリスクなどのマイナス面の質問は、意外と高評価につながります。
一見、失礼な質問のようにも思えますが、経営計画にもきちんと目を通し、企業のよい面だけでなく足りない部分まで知ろうとする真摯な姿勢や覚悟が伝わります。
現状の課題や、課題解決のために取り組んでいることがわかれば、さらに企業理解が深まり、入社後のギャップも防げるでしょう。
ただし、「業績が下がっているようですが〜」「競合の方が伸びているようですが〜」といった企業のダメなところを指摘するような言い回しはNG。
あくまで「目標達成に向けてどんな課題があるか」というスタンスで聞き、上から目線で失礼な逆質問とならないように注意しましょう。
3.今後の展望
語学・専攻分野・プログラミング経験など、自分のスキルをアピールしつつ、今後の展望を聞くのもオススメです。
ただし、事業内容とまったく関係ないスキルをアピールするのはNG。
通信系の企業に対して「食品衛生監視員の資格をもっているのですが〜」とアピールしても、高評価につながらないどころか、企業理解が浅い&逆質問の意図をはき違えていると判断されてしまいます。
「アピールしたいだけでしょ?」とならないよう、あくまで質問したい内容に自己PRを添える形で聞きましょう。
4.希望部署で求められるスキル
自分の行きたい部署で必要とされるスキルを聞けば、向上心&入社を前提とした姿勢が伝わります。
1次〜3次面接でも聞ける内容ですが、社長・役員クラスに聞くことで、経営者視点から見て必要とされるスキルや考え方を知ることができます。
5.企業文化を表すエピソード
企業理念に共感していることをあらためて伝えられるうえに、社風や経営陣の考え方を知ることができます。
また、1と同様に、相手が気持ちよく話せる&ポジティブなテーマのため、場の雰囲気も明るくなるでしょう。
ただし、回答内容によっては「自分とはあわないかも…」「意外にブラックかも?」となる可能性も。
企業の雰囲気を知り、入社後のギャップを防ぐためにも有効な質問です。
6.新入社員に期待すること
入社を前提とした質問のため、熱意と向上心が自然と伝わる質問です。
新入社員に求めていることがわかれば、入社後のモチベーションも維持しやすいですし、上司からの評価や信頼も得やすくなります。
7.仕事をするうえで大切にしていること
仕事に対する前向きな姿勢や、面接官を敬う気持ちが伝わるためオススメの質問です。
また、トップに立つ人の人柄は社風に大きく影響するため、自分にあう企業かどうか最終チェックするためにも役立ちます。
経営者の仕事観を1対1で聞ける機会はなかなかありません。
仕事で成功している人の考え方は、これから社会に出るうえでも有益な情報となるでしょう。
熱意の伝わる逆質問で最終面接を突破しよう!
最終面接は、これまでの選考を突破した優秀な学生の中から、とりわけ志望度が高くて熱意のある人材を厳選していく工程です。
そのため逆質問では、ただ聞きたいことを聞くのではなく、入社を前提とした熱意をアピールできる質問をする必要があります。
ぜひ本記事を参考にして「熱意の伝わる逆質問」を用意し、最終面接に臨みましょう!
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あなたの就活が上手くいきますように!
本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。