面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれても、まったく質問が思い浮かばないときってありますよね。
ただ、「特にありません」と答えてしまうと志望度が低いとみなされ、マイナス評価されてしまう恐れがあります。
そこで本記事では、【日系大手企業の元人事&国家資格キャリアコンサルタント】の筆者が、逆質問がないときの対処法を徹底解説します。
・逆質問がないときの対処法
・どの企業でも使える逆質問5選
・企業側の意図&見ているポイント
目次
逆質問しないと落ちる?
「逆質問しない=落ちる」ではありませんが、逆質問しないことは不利に働きます。
なぜなら企業は、次の意図で「何か質問はありますか?」と聞いているからです。
1.企業理解を深めてもらいたい
→学生が抱いている疑問や不安を解消したい
2.志望度をチェックしたい
→企業に対する熱意や本気度を確かめたい
逆質問は、基本的に学生のために設けています。
説明会や面接では、企業側からの一方的なコミュニケーションになってしまうため、「素直に学生の疑問を解消したい」「不安を払拭して、あわよくば志望度を高めたい」と考えているのです。
しかし、聞きたいことがなく「特にありません or 大丈夫です」と答えてしまうと、「うちの会社に興味ないんだな」と思われ、熱意のある人と比べて相対評価が下がってしまうでしょう。
「特にありません」を印象よく言い換えるなら?
逆質問はした方がいいとわかっていても、インターンに参加していたり、以前の面接でも逆質問の場があったりして「これ以上知りたいことがない…」というケースもあるでしょう。
そんなときは、以下のように返してみましょう。
「特にありません」「大丈夫です」と返すよりも印象がよくなり、逆質問しないことが不利に働かなくなります。
「インターンを通じてたくさん御社のことを知れましたので、現時点で質問はございません。引き続きよろしくお願いいたします。」
「以前の面接でたくさん質問させていただきましたので、現時点ではございません。本日の面接を通じて、ますます御社へ入社したい気持ちが高まりました。」
「企業説明会にて丁寧にご説明いただきましたので、現時点で質問はございません。本日は貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。」
ちなみに、「十分理解できましたので〜」という言い回しは、「御社のことはもう完璧に理解してます!」といったニュアンスでやや謙虚さに欠けるため、個人的にはオススメしません。
あくまで「たくさんお話が聞けたので、今のところは大丈夫」といったスタンスで返しましょう。
便利&企業ウケのいい逆質問5選
逆質問が思い浮かばないときは、面接官個人に対する質問をするのがオススメです。
以下の個人的な質問であれば、どの企業・どの場面でも使えるうえに、面接官が気持ちよく自分のことを話せるので、適当にしぼり出した質問よりも好印象を与えられます。
1.仕事のやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?
2.御社に入社した理由を教えてください
3.御社の「いいところ」と「変えていきたいところ」を教えてください
4.今後はどのようなキャリアを考えていらっしゃいますか?
5.仕事をするうえで大切にしていることはどんなことですか?
それぞれ、オススメする理由と質問のポイントを解説していきます。
1.仕事のやりがい
仕事のやりがいを聞けば、その企業で自分が楽しく働けるかどうかがわかります。
「新規企画を成功させたとき」「お客様から感謝の言葉をいただいたとき」「数値目標を達成したとき」など、きっと企業や面接官によってさまざまな答えが返ってくるでしょう。
このとき、面接官の回答に共感できた場合は、自分の価値観にあう職場である可能性が高いです。
また、具体的なエピソードを聞くことで、入社したらどんな仕事を担当するのか、どんな価値観をもった社員が働いているのかなど、その企業で働くイメージもつかめます。
2.入社した理由
入社理由を聞けば、他にどんな業界を見ていたのか、何がしたくて入社したのかなど、面接官の就活時代の話が聞けます。
そのため、就活の軸の考え方のヒントがもらえたり、他業界・他社と比較したうえでの強みが聞けたりする可能性が高いです。
ちなみに、「入社の決め手はなんでしたか?」と聞いてしまうと、人や社風などの抽象的な答えが返ってきがち。
具体的かつ参考になる話が聞きたいなら、「決め手」ではなく「理由」を聞きましょう。
3.「いいところ」と「変えていきたいところ」
あくまで個人の意見として聞けば、実際に働く社員目線での良い点・悪い点を教えてもらえます。
「ダメなところ」ではなく、「改善の余地があるところ」として聞くのがポイントです。
失礼な印象にならないうえに、面接官はネガティブな要素を伝えつつも、前向きな回答ができるようになります。
このとき、「変えていきたいところはない」とネガティブ要素を一切答えない企業は、不誠実でブラックな可能性が高いです。
どんな企業も未完成な部分は必ずあります。
誠実でホワイトな企業ほど、至らない部分を改善しようとする姿勢や、学生にも実情をしっかり伝えようとする姿勢がみられるでしょう。
ちなみに、「ダメなところ」だけ聞くのはオススメしません。
聞き方によっては失礼な印象を与えてしまう恐れがありますし、「いいところ」とセットで聞くからこそ、面接官が快く回答できるようになります。
4.今後のキャリア
面接官個人のキャリアプランを聞けば、その企業の将来性をチェックできます。
面接官の表情がくもったり、言葉につまっている様子なら要注意。
いまの会社でキャリアを積む気がなく、転職を考えているかもしれません。
あくまで個人の回答ではありますが、もし「こんなことに挑戦したい」「こんなスキルを身につけたい」など、前向きな答えが返ってくれば安心してよいでしょう。
社員がキャリアを描けない会社に未来はありません。
回答によっては、事業の方向性や自己成長のサポートに関する情報も得られるため、ぜひ質問してみましょう。
5.仕事で大切にしていること
漠然とした質問で自由に答えられる内容だからこそ、個人の価値観が浮き彫りになります。
責任感・向上心などの「仕事への向き合い方」に関する回答が返ってくることもあれば、協調性・信頼関係などの「周囲との関わり方」に関する回答が返ってくることもあるでしょう。
あくまで個人の回答ではありますが、社員がどのようなスタンスで仕事に取り組み、どのように周囲と関わっているのかがわかれば、その企業で働くイメージや社風がつかめます。
とくに社歴の長い社員ほど、企業文化を反映した回答になりがちです。
逆質問が浮かばないのは、運命の会社じゃないからかも
ここまで対処法と質問例を紹介してきましたが、逆質問が思い浮かばないのは、あなたの運命の会社じゃないからかもしれません。
入社後の自分を真剣に考えられる会社、ネームバリューではなく企業理念や事業内容にひかれてエントリーした会社なら、自然と聞きたいことが湧き出てくるはずです。
とはいえ、色んな企業の面接を受けながら、自分とマッチする「運命の会社」を探すのは大変なので、企業側があなたを見つけ出してくれる「逆求人サイト」を活用しましょう。
逆求人サイトとは
企業側が学生のプロフィールを見て、「うちの選考を受けませんか?」とオファーを送る就活サイトのこと。
各社の採用担当が適性を見たうえでスカウトするため、自分の価値観とあう企業や、自分では見つけられなかった隠れ優良企業と出会えるのがメリット。
逆求人サイトはそれぞれ利用企業が異なるため、複数サイトに登録すれば、より多くの企業に自分のプロフィールを見てもらえます。
オススメの逆求人サイトは以下の記事で紹介していますので、ぜひこの機会に登録してみましょう。
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本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。