求める人物像とは、「こんな人に内定を出しますよ」という企業からの最大のヒント。
就活対策には欠かせない最重要項目です。
本記事では、求める人物像とは何なのか、なぜ重要なのか、日系大手メーカーの元人事&国家資格キャリアコンサルタントの筆者が徹底解説します。
目次
求める人物像とは「こんな人に内定を出します」という意味
求める人物像とは、その企業で高く評価される人材のこと。「こんな人に入社してほしい」「こんな人に内定出しますよ」という意味です。
求める人物像は、就活において企業がくれる最大のヒント。
志望企業の求める人物像を知らないまま選考に挑むのは、非常にもったいないことです。
求める人物像を事前にチェックしていれば、ESや面接で何をアピールすべきか明確になります。
ESや面接の通過率を左右するといっても過言ではない重要なポイントです。
求める人物像は、各社の採用サイトに載っています。Googleで「社名 求める人物像」と検索しても出てきますよ。
求める人物像は、就活攻略には欠かせないポイント!
私は就活生のとき知らなかったので、だいぶ苦労しました…。
求める人物像をチェックする3つのメリット
求める人物像は、就活攻略には欠かせないポイント。
知っているだけで以下のメリットが得られます。
1.ESや面接でアピールすべき強みがわかる
2.入社後活躍できるかどうかがわかる
3.社風がわかり、ミスマッチを防げる
それぞれ詳しく解説します。
1.ESや面接でアピールすべき強みがわかる
志望企業の求める人物像にあわせて自己PRすれば、ESや面接で高評価が得られます。
たとえば、チャレンジ精神の高い人材を求めている企業に対して、協調性や責任感をアピールしても高評価にはつながりません。
チャレンジ精神をアピールできるよう、部活動やアルバイトで何かに挑戦した経験や、自ら目標を立てて高い成果を出した経験をアピールするのが効果的です。
ただし、求める人物像によせて嘘の自己PRをするのはオススメしません(面接で深掘りされればバレます)。
「求める人物像にあわせて自己PRの内容を変える」「求める人物像に近い強みをアピールする」というのが選考突破のポイントです。
2.入社後活躍できるかどうかがわかる
求める人物像=その企業で高く評価される人材。
求める人物像をチェックすれば、自分が入社後も評価されるかどうか(活躍できるかどうか)がわかります。
そのため就活では、自分の長所と求める人物像が似ている企業を選ぶことが重要です。
自分の強みや等身大の姿が評価されるため、就活も入社後もとんとん拍子に進みます。
一方、求める人物像によせて嘘の自己PRをした場合、内定はもらえても入社後苦労することになるでしょう。
自分の本来の強みは評価されず、自分を偽らなければ評価されない環境は、想像以上にストレスが溜まります。
求める人物像から逆算して企業を選ぶ。実はかなり有効な戦略です。
どうせ働くなら、自分の強みを高く評価してくれる会社で働きたいですよね。
3.社風がわかり、ミスマッチを防げる
求める人物像をチェックすれば、その企業の雰囲気・価値観・文化がなんとなくつかめます。
たとえば、通信業界3社の求める人物像は以下の通り。
ソフトバンク
ソフトバンクの変化を楽しみ、何事もチャンスと捉え挑戦する人KDDI
周囲と真摯に向き合い、思いを一つにし変革していく力のある人NTTドコモ
挑戦心:技術革新の最前線でその変化を楽しみ、新しいコミュニケーション文化の世界を作るという、答えのない困難にチャレンジするマインド。※上記は一部抜粋したものです。詳細は下記サイトをご確認ください。
引用:ソフトバンク採用サイト・KDDI採用サイト・NTTドコモ採用サイト
3社とも共通して挑戦意欲の高い人材を求めていますが、ソフトバンクはポジティブ思考と積極性、KDDIはチームワークと実行力、ドコモは課題解決力を重視している印象です。
このように求める人物像をチェックすれば、各社の大切にしている価値観や雰囲気がわかります。
そのため、「思っていたイメージと違った」という入社後のミスマッチも防げるでしょう。
企業が求める人物像を公開する理由
「なんでわざわざそんなヒントをくれるの?」と思う方もいるでしょう。
企業が求める人物像を公開する理由は以下の通りです。
・求める人物像にマッチする人の応募意欲を高めたいから
・求める人物像にマッチしない人の応募を抑制したいから
求める人物像を公開すれば、条件にマッチする人は「私のことじゃん!」とエントリーしたくなり、マッチしない人は「私にはあわなそう…」とエントリーしなくなります。
その結果、全体の応募数のうち、求める人物像にマッチする人の割合が高くなるため、採用活動の効率化がはかれます。
また、求める人物像を言語化することは、面接官による評価のバラつきを解消し、公平な選考を行うためでもあります。
ちなみに企業は、以下の流れで求める人物像を設計していますよ。
1.社内で活躍している人材や今後の事業計画で必要となる人材の特徴を洗い出す
2.1をもとに、求める人物像を言語化
3.2をもとに、採用基準や面接でチェックするポイントを設定(面接官による質問内容や評価のバラつきを解消)
志望企業の求める人物像が自分と全然違うときは?
志望企業の求める人物像と、自分の性格や強みがまったく異なる場合は、基本的に応募するのはオススメしません。
前述の通り、あなたの強みがあまり評価されない会社なら、たとえ内定獲得できても入社後に苦労することになるからです。
ただ、それでも入社したい場合は以下の方法を試してみてください。
ふつうに選考を受けるより、合格できる可能性を高められます。
1.一番自信のある強みやエピソードを伝える
同じエピソードでも、人によってとらえ方は異なります。「実行力」をアピールしたつもりが、面接官からは「リーダーシップがある」と評価されることも。
求める人物像ではないものの、「こんなタイプの人がいてもいいかも」と思われる可能性もあるでしょう。
2.なんとか共通点を見つけてアピールする
強みや性格は、とらえ方・言い方次第で印象がガラリと変わることもあります。
類語辞典などを使って、できるだけ求める人物像に近い表現でアピールしましょう。
また、自分の強みは当たり前すぎて自分では気づけないこともあります。
自分では「求める人物像ではない」と思っていても、客観的に見たら求める人物像に当てはまるケースも考えられます。
そんな自分の隠れた強みを知りたい方は、「ストレングス・ファインダー」という全世界で3,000万人以上が利用したアメリカ発の自己分析ツールがオススメです。
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問題は全177問(所要時間35分)で選択形式。
質問に答えていくことで、自分の強みTOP5が明らかになります。
求める人物像の具体例9選【業界別】
では実際に、求める人物像の具体例をご紹介します。
同じ業界でも全然違うのが面白いポイント。社風が反映されている感じがします。
通信3社を比較
3社とも共通してチャレンジ精神を求めていますが、ソフトバンクはポジティブ思考と積極性、KDDIはチームワークと実行力、ドコモは課題解決力を重視している印象です。
ソフトバンク
ソフトバンクの変化を楽しみ、何事もチャンスと捉え挑戦する人(※一部抜粋)
引用:ソフトバンク採用サイト
KDDI
・あるべき姿に目を向け具体的な目標を立ててやり抜く力のある人
・周囲と真摯に向き合い、思いを一つにし変革していく力のある人
引用:KDDI採用サイト
NTTドコモ
・挑戦心:技術革新の最前線でその変化を楽しみ、新しいコミュニケーション文化の世界を作るという、答えのない困難にチャレンジするマインド。
・行動力:思い描く世界を実現するために自らアクションを起こし、最後までやり遂げる力。
引用:NTTドコモ採用サイト
食品メーカー3社を比較
3社とも共通して行動力を求めていますが、明治は責任感と主体性、ロッテは完遂力、森永乳業は成長意欲を重視している印象です。
明治グループ
「こうしよう」「こうしたほうがよい」と自らの考え・意見を積極的に主張・提案し、自ら行動するチャレンジングな社員が活躍しています。(※一部抜粋)
引用:明治グループ採用サイト
ロッテ
自分で考え責任を持って行動する人。何事にもチャレンジし最後までやり抜く人。将来を見通して何をしなければいけないのかを考え、実践できる人。
ロッテの想いに共感していただける方を求めています。(※一部抜粋)
引用:ロッテ採用サイト
森永乳業
お客さまと仲間と自らの笑顔のために、未来へ一歩踏み出し成長し続ける人財
引用:森永乳業採用サイト
メガベンチャー3社を比較
成長意欲やバイタリティが求められがちなメガベンチャー。
とはいえ、企業によって求める人材は多種多様。各社の価値観や活躍している人材のイメージがなんとなくつかめます。
サイバーエージェント
・チームとして成果を出すことに喜びを感じる
・若いうちからどんどん成長し続けたい(※一部抜粋)
マネーフォワード
自分のキャリアを「誰に対して、どのように、何を届けていきたいか」という社会に視野を向けて、共に行動できる方
レバレジーズ
【信頼】モラルがあり、長期的に一緒に仕事ができる
【知性】抽象的な仕事を具現化できる
【情熱】自分自身がエネルギーに溢れていて、仕事を成し遂げる情熱がある
引用:レバレジーズ採用サイト
今すぐ志望企業の求める人物像もチェックしてみましょう!
Googleで「社名 求める人物像」と検索すれば出てきますよ。
まとめ:求める人物像を知ることは就活攻略の第一歩
求める人物像とは、「こんな人に内定出しますよ」という意味。就活において企業がくれる最大のヒントです。
求める人物像を事前にチェックしておけば、ESや面接で高評価がもらいやすくなり、入社後のミスマッチも防げます。
知っているのと知らないのでは雲泥の差。必ずチェックしてから選考に臨むようにしましょう。
「求める人物像にあうかどうか、そもそも自己分析が進んでいない…」という方は、無料の自己分析ツールからはじめてみるのがオススメです。
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▶︎【面接官おすすめ】無料の自己分析ツール3選|活用時の注意点も解説
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