頑張って発言したら落ちて、逆に手応えがなかったときほど受かる。
自分の何がダメで、どこが評価されたのかわからないと、自信をもってグループディスカッション(グルディス/GD)に臨めないですよね。
結論から先にお伝えすると、企業が見ているポイントは以下の通り。
そのため、アイディアが豊富で発言量が多くても、ベースとなる清潔感や協調性がなければ不合格になってしまいます。
本記事では、選考や逆求人イベントで年間2,000人以上のグループディスカッションを評価してきた日系大手メーカーの元人事が、実体験をもとに不合格になってしまう人の特徴を解説します。
・GDで企業が見ているポイント
・GDで落ちる人の特徴
・意見がなくても合格するコツ
・GD経験を積む方法
・よくある質問(目的・合格率・役割)
目次
グループディスカッションで企業が見ているポイント
会社という組織で働く以上、協調性やコミュニケーション能力が求められます。
簡単に言えば、一緒に働きたいと思ってもらえるかどうか。
知識やアイディアが豊富でどんなに優秀な人でも、わがままで他人を見下しているような人とは一緒に働けません。
グルディスでは、「アイディアが豊富でたくさん意見を言える人=合格」と思われがちですが、実際はそうではありません。
企業の評価基準は以下の通り。
土台となる清潔感・コミュニケーション能力・協調性が合格ラインに達していなければ、どんなに論理的思考力が高くて鋭い意見が言えても不合格になってしまいます。
一部のベンチャーは尖った人材を求めているかもしれませんが、ほとんどの企業、とくに日系大手は「どんなタイプとも上手くコミュニケーションをとりながら、建設的に議論を進められる人材」を求めています。
そのため、発言の「量」はあまり関係ありません。
発言回数より、他のメンバーとの関わり方、前向きな姿勢、正しい方向に議論を進めていける論理的思考力の方が重要です。
グループディスカッションで落ちる人の特徴
ここからは、選考や逆求人イベントで年間2,000人以上のグループディスカッションを評価してきた実体験をもとに、マイナス評価されてしまう人の特徴を解説します。
1.つまらなそうに黙っている
2.他人の意見を頭ごなしに否定したり、遮ったりする
3.感情のコントロールができていない
4.自分の意見を無理やり押し通そうとする
5.議論を進めることより、自分が目立つことを優先している
6.議論についていけず、論点がズレている
7.要約力がなく、話が長い
1〜5はコミュニケーション能力や協調性、6〜7は論理的思考力が低いと判断され、不合格になる可能性が高いです。
1.つまらなそうに黙っている
不合格の可能性:★★★★★
意見がないからといって、つまらなそうに黙っているのはNG。
グループ全体の士気を下げたり、他のメンバーに気を遣わせてしまうため、「周囲に負の影響を与えてしまう人」という評価になります。
意見がなくても笑顔をたもち、他メンバーのアイディアに賛同したり、他メンバーが意見を出しやすくなるような明るい雰囲気をつくるのが合格のコツです。
2.他人の意見を頭ごなしに否定したり、遮ったりする
不合格の可能性:★★★★★
他メンバーの意見を頭ごなしに否定したり、バカにしたりするのは絶対NG。
高圧的で批判的な人とは、一緒に働きたいと思えません。
また、他メンバーの話を途中で遮ったり、聞く耳をもたない様子もNG。
内心「それは違くない?」と思っても、まずは一区切りするところまで相手の話を聞くようにしましょう。
相手の話を遮りがちな人は、話の展開を予測できる・話の要点がすぐにわかるのが強み。
ただ、協調性が大事なGDの場ではぐっとこらえて、傾聴力を磨きましょう!
3.感情のコントロールができていない
不合格の可能性:★★★★★
自分の意見が通らなかったときに不貞腐れたり、黙り込んでしまうのはNG。
感情のコントロールができない人や、情緒が安定していない人は、「精神的に幼稚な人」とマイナス評価されます。
また、なかなか発言できないからと明らかに落ち込んでいたり、議論をかき乱すクラッシャーに対してイライラを隠せていない様子もNG。
自己嫌悪や怒りなどの負の感情は表に出さず、スマートな対応を心がけましょう。
4.自分の意見を無理やり押し通そうとする
不合格の可能性:★★★★★
自分の意見を無理やり押し通そうとするのもNG。
「他メンバーより自分の意見の方が優れている」「私のやり方が絶対に正しい」といった他メンバーの意見を尊重しない様子は、協調性が低いと判断されます。
他人の意見を受け入れず、プライドが高い様子はマイナス評価の要因です。
また、「まずは◯◯から決めないと!」「私は書記だから発表はしない」など、柔軟性が足りない言動もNG。
議論の進捗具合や、他メンバーの様子を見て、臨機応変に対応しましょう。
5.議論を進めることより、自分が目立つことを優先している
不合格の可能性:★★★★☆
議論を進めることより、自分が目立つことを優先している人もNGです。
たとえば、議論にこじつけて自分の知識をひけらかしたり、他メンバーが知らない専門用語やフレームワークを多用したり。
議論に必要な情報なら問題ありませんが、「私って優秀でしょ?」と他メンバーにマウントをとる様子は印象がよくありません。
フレームワークを使う際は、他メンバーを置いてけぼりにしない配慮が必要です。
フレームワークを知らない人、議論についていけてない人がいた場合は、どういうものなのか、使うとどんなメリットがあるのか簡潔に説明し、全員の認識をそろえてから議論を進めるようにしましょう。
6.議論についていけず、論点がズレている
不合格の可能性:★★★☆☆
議論の内容や流れを把握できておらず、すでに話し合ったことを再び取り上げたり、論点のズレた発言をしてしまうと、論理的思考力が低いと判断されます。
周囲のレベルが高すぎて議論についていけないと感じたら、焦らず、まずは聞き役に徹してみましょう。
前述の通り、発言の「量」はあまり関係ありません。
「このままじゃ置いていかれる!何か言わないと!」と焦ってチームをかき乱すくらいなら、聞き役に徹して、自分がグループに貢献できそうなタイミングを待ちましょう。
ただし、わかったフリは厳禁。
話し合っている内容がよくわからない状態で「どう思いますか?」と話を振られたときは、「〜についてであっていますか?」と軽く確認を入れてから意見を述べるようにしましょう。
7.要約力がなく、話が長い
不合格の可能性:★★★☆☆
グループディスカッションは、限られた時間の中で意見を出し合い、結論をまとめる必要があります。
そのため、自分の意見を長々と話したり、要点がまとまっていない話をするのはNG。
論理的思考力や要約力が低いと判断されるうえに、場合によってはコミュニケーション面(周囲への配慮)もマイナス評価されてしまいます。
端的に話す力&人前でも緊張しないで話す力は、とにかく場数を踏んで鍛えるのがオススメ。
時間に余裕があれば、以下のイベントに参加してみましょう。
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意見がなくてしゃべれない人は落ちる?
「しゃべれない=不合格」ではありません。
発言の量や回数よりも、他のメンバーとの関わり方、前向きな姿勢、議論を進めるための論理的思考力の方が重要です。
そのため、アイディアが浮かばないときは聞き役に徹し、「それいいですね!」と他メンバーの意見に賛同したりするなど、議論しやすい明るい雰囲気づくりに貢献しましょう。
議論がいい方向に進んでいるなら、無理に出しゃばって邪魔する必要はありません。
そのままいい雰囲気で進めるために、自分が今グループのためにできることを見つけましょう(メモする・時間を測る・データを調べる etc.)。
とはいえ、基礎的なコミュニケーション能力や協調性は、最低限の合格ライン。
他に優秀な人がたくさんいた場合は落ちる可能性があります。
協調性やコミュニケーションを大事にしつつも、議論を前に進めるための言動やリーダーシップがとれるよう、グルディス練習を重ねていきましょう。
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グループディスカッションでよくある質問【Q&A】
ここでは、グループディスカッションでよくある質問に答えていきます。
1.グルディス選考を設ける意図は?
2.通過率は?全員落ちることもある?
3.どの役割が有利?
採用担当者の視点で、それぞれ詳しく解説していきます。
1.グルディス選考を設ける意図は?
1対1の面接より、清潔感やコミュニケーション能力を効率よくチェックできるからです。
また、面接ではわからない対人スキルやリーダーシップも確認できるため、チームワークや課題解決力を重視する企業は、グルディス選考を設ける傾向にあります。
2.通過率は?全員落ちることもある?
6人グループなら2〜3人が合格(通過率40%前後)するケースが多いです。
全員落ちることはほとんどありませんが、全員合格することはごく稀にあります。
「各回で◯人選出する」という形ではなく、一定の基準を満たした人は全員合格としていました。
3.どの役割が有利?
「◯◯役が有利」ということはありません。
積極性やリーダーシップをアピールするため、ファシリテーター(進行役)にチャレンジする人は多いですが、上手くできなければマイナス評価されるリスクがあります。
そのため、自分の強みを発揮できる役割・自分が得意だと感じる役割・ふだんから担当することの多いポジションを選択するのがオススメです。
練習の段階では色々なポジションに挑戦してみてもいいと思いますが、等身大の自分で、無理なくできる役割の方が合格率を高められます。
私はこれまで副部長ポジションを担うことが多く、全員の意見を聞きながら議論の流れをコントロールする役割が得意でした。
自らチームを引っ張ることは苦手でしたが、論点がズレないよう軌道修正する「名前もないような係」に徹したことで、グルディスは全戦全勝できました!
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人事に見られながら、しかも知らない人とグルディスするのはハードルが高いように感じるかもしれません。
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くり返しになりますが、グルディス対策は場数を踏むしかありません。
経験を重ねれば緊張もしなくなりますし、いろんなタイプの人とさまざまなテーマで議論することが成長につながります。
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まとめ:企業が見ているポイントを意識してグルディスに挑もう!
グループディスカッションでは、発言の量や回数より、コミュニケーション能力・協調性・論理的思考力が重要です。
企業が見ているポイントを正しく理解したうえで、本番さながらの環境で実践を積める「デアイバ」にてグルディスのスキルを高めていきましょう。
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