企業からオファーが届く「逆求人サイト」に興味はあるものの、「本当に登録する意味あるの?」とスカウトの質に不安を感じている方は多いと思います。
無料で使えるとはいえ、プロフィール入力には時間がかかるため、それなりの対価はほしいですよね。
結論から先にお伝えすると、
・テンプレや一括送信による質の低いスカウトも一部あるが、実際に内定につながるケースもあるため登録して損はない。
・とはいえ、スカウトサービスだけで就活するのは非現実的。あくまでサブツールとして期待しすぎず活用するのがオススメ。
というのが個人的な見解です。
本記事では、実際に3つのスカウトサービスを使って新卒採用していた日系大手メーカーの元人事が、スカウトを送る企業側の裏事情をお伝えします。
目次
【結論】登録して損はないが、期待しすぎに注意!
結論から先にお伝えすると、スカウトサービスは登録しておいて損はないものの、期待しすぎには注意。
スカウト経由で内定獲得する人もいますが、企業からのスカウトを待つだけで就活を完結させるのは非現実的です。
なぜなら、企業側がスカウトサービスを利用する理由は以下の通り。
・自社を知らない学生にもリーチできる
・求める人材にピンポイントでアプローチできる
・ナビサイトよりコスパがいい
つまり、知名度が低くて応募が集まらない企業 or 特定の経歴やスキルをもつ優秀層を狙っている企業がスカウトサービスを利用しています。
そのため、「ただ登録するだけで人気企業からのスカウトがたくさんくる」なんてことはほぼありません。
スカウトサービスは、あくまで自分が知らなかった企業や隠れ優良企業を知るきっかけとして活用し、サブツール的に使うのがオススメです。
自己分析や面接対策などやることがたくさんある中、プロフィールを入力するだけで就活の視野が広がるのであれば、登録して損はないサービスといえるでしょう。
▶︎逆求人とは?メリット・デメリット、オファーを増やすコツを元人事が解説
実際に私は、某スカウトサービス経由で約20名採用しました。
内定者はもともと他業界を志望していた人が多く、「社名は知っていたけれど、スカウトがきっかけで事業内容にも興味がわいた」とのことでした。
【Q&A】スカウトサービスでよくある質問
ここからは、スカウトサービスでよくある質問に対して、採用の裏事情を率直にお答えします。
1.適当にスカウトしてる?→【△】
2.プロフィールちゃんと見てる?→【△】
3.大学名で選んでる?→【△】
4.大手からのスカウトはこない?→【△】
5.スカウト経由で落ちることもある?→【◯】
それぞれ詳しく解説していきます。
1.適当にスカウトしてる?
スカウトサービスの利用料金はかなり高く(数百万円)、スカウト送信数にも上限がある場合がほとんどのため、適当にスカウトすることはまずありません。
ただ、テンプレートの文章を一斉送信している企業や、スカウト代行サービスがあるのも事実。
社長や人事部長の名前を使っているけれど、実際にスカウトを送っているのは平社員ということもよくあります。
他にも、テンプレ感が丸出しだったり、名前が抜けていたりするケースもありますが、あまりにも雑で失礼な態度の会社はスパッと切り捨てていきましょう。
2.プロフィールちゃんと見てる?
ちゃんと見てます!
ただ、すべての項目に目を通しているかと言われたら嘘になります…。
言い訳になってしまいますが、限られた業務時間の中で、何百人ものプロフィールをすべて読み込むのは不可能です。
そのため、自己PR(ガクチカ)や適性診断の結果など、特定の項目に着目してスカウト対象を選んでいます。
とくに自己PRは、ほとんどの企業がチェックする最重要項目。
スカウトサービスに登録したら、まずは自己PRだけでも記入しておくのがオススメです。
3.大学名で選んでる?
ほとんどのスカウトサービスでは、大学名で学生検索できる仕組みになっています。
そのため、大学名でスカウト対象をしぼっている可能性は大いにあります。
実際に私も、大学・学部・適性診断の結果などで検索していました。
「大学名で選ぶ」というより、「いくつかの条件で対象をしぼってからプロフィールを見て判断する」といった感じです。
ただそれは、学歴主義というわけではありません。
過去の採用実績から相性のいい大学があったり、特定の研究をしている学部にアプローチしたいからです。
採用実績のある大学がやや有利なだけで、「学歴フィルターがある」「高学歴にしかスカウトがこない」というわけではありません。
4.大手からのスカウトはこない?
「知らない中小企業やベンチャーばかりで、大手企業からのスカウトがこない!」と感じる人が多いのは事実です。
ただそれは、サービスが悪いとか、あなたが評価されていないわけではありません。
そもそも、日本の企業のほとんどは中小企業で、大手企業の数は少ないのです。
日本の企業数:約547万社(2024年時点)
うち大手企業が約0.3%、中小企業が約99.7%
以下のような企業一覧を見ると、「有名企業からのスカウトがたくさんくるかもしれない!」と期待してしまいますが、かなり確率は低いと思っておいた方がよいでしょう。
大手企業を狙っているなら、スカウトを待つより自分から応募した方が早いです。
スカウトサービスはあくまで就活の視野を広げるために登録し、大手からスカウトがきたらラッキー!ぐらいの気持ちで活用するのがオススメです。
▶︎逆求人サイトはいつから使う?スカウトが増える時期を元人事が解説
5.スカウト経由で落ちることもある?
スカウト経由でも選考に落ちることはあります。
スカウトはあくまで「うちの会社を受けてみませんか?」というお誘いです。
書類選考や1次面接が免除となり、選考フローが短縮されるケースは多々ありますが、「スカウト=内定確約」ではありません。
スカウト経由でも通常のエントリーでも採用基準は同じなので、選考に参加する場合はしっかり対策する必要があります。
▶︎スカウトされたのに落ちるのはなぜ?3つの理由を元人事が解説
大手企業&本気のスカウトを受け取るなら
適当なスカウトではなく、本気のスカウトを受け取りたいなら、以下のサービスがオススメです。
一斉送信機能がなく、送信数に上限があるため、一通あたりの価値が高いのが特徴です。
1.OfferBox(オファーボックス)
- 約24万人が利用する王道の逆求人サービス
- 平均41社からスカウトが届く(プロフィール入力率80%以上の場合)
- 東証プライム上場企業の約7割が利用(大手からのスカウトが期待できる)
- 学歴によるオファー受信の偏りなし
- スカウトを待つだけでなく、自分から企業へアピールできる機能あり
※OfferBoxの口コミ・評判はこちら
2.キャリアチケットスカウト
- 仕事に対する価値観でマッチング
→働くうえで大切にしたいこと、理想のチームや環境、なりたい人物像など
- 平均38社からスカウトが届く(プロフィール入力率70%以上の場合)
- 2種類のスカウト
→「話したい」:人事とカジュアル面談
→「オファー」:特別選考ルートの案内 - スカウトを待つだけでなく、自分にあう企業を見つけたら直接エントリーも可能
※キャリアチケットスカウトの口コミ・評判はこちら
スカウトサービスは、他にもさまざまな種類があります。
理系学生や体育会系の学生に特化したサービスも知りたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
▶︎逆求人サイトおすすめランキングTOP7|元人事が厳選&徹底比較
まとめ:スカウトサービスで就活を有利に進めよう!
スカウトサービスは、一斉送信などによる質の低いオファーこそ一部あるものの、登録しておいて損はありません。
大手企業からのスカウトはかなりレアなため、期待しすぎには注意が必要ですが、自分が知らなかった企業や隠れ優良企業を知るきっかけとなります。
就活を有利かつ効率的に進めるためのサブツールとして、ぜひ活用してみましょう。
なお、サービスごとに利用企業が異なるため、より多くの企業に自分のプロフィールをみてもらうためには2つ以上のサービスを併用するのがオススメです。
どのサービスもプロフィール項目はほぼ一緒のため、登録作業はそこまで負担にならないはず。
大学3年生の秋〜冬からスカウト送信する企業が増えはじめるため、早めに登録しておきましょう。
▶︎逆求人サイトおすすめランキングTOP7|元人事が厳選&徹底比較
また、スカウトがこない人の特徴やプロフィール写真のポイントは、以下の記事で解説しています。ぜひあわせてご確認ください。
▶︎OfferBoxでオファーがこない人5つの特徴|元人事が対処法を解説
▶︎OfferBoxで企業ウケする写真とは?元人事が実例をもとに解説
あなたの就活が上手くいきますように。
本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。