国家試験キャリアコンサルタントの試験が迫っているものの、ロールプレイや口頭試問の対策に頭を抱えていませんか?
何度ロープレ練習を重ねても、成長が実感できなかったり、今の状態が合格基準を満たしているのかわからないと、不安になりますし焦りますよね。
ただ、「とにかく量をこなす」試験対策はオススメできません。正しいやり方がわからないままロープレ練習を重ねるより、さまざまな質問例を知り、引き出しを増やしてからロープレ練習する方が圧倒的に成長できます。
本記事では、第25回国家資格キャリアコンサルタント試験にオールA判定で一発合格した筆者が、試験当日までにやった5つの対策をご紹介します。
養成講座で得た学び+日系大手企業の人事として培ったキャリア面談の知見を踏まえて、具体的な質問例や口頭試問の回答例も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
・一発合格者の試験対策方法が知りたい人
・ロープレで言葉に詰まったり、質問が出てこない人
・ロープレで感情面の深掘りが上手くできない人
・口頭試問の答え方がわからない人
・口頭試問の回答がグダグダで長くなってしまう人
※口頭試問はJCDA(日本キャリア開発協会)受験者向けです。キャリ協(キャリアコンサルティング協議会)の口頭試問には対応しておりませんので、あらかじめご了承ください。
目次
キャリアコンサルタント面接対策時の注意点
本記事で紹介するのはあくまで私個人の試験対策内容です。
キャリアコンサルタントを目指している方ならご理解いただけると思うのですが、キャリアコンサルティングに正解はありません。
CL(相談者)の抱える悩みや価値観は人それぞれのため、絶対的に正しい関わり方は存在しませんし、自分の「型」に当てはめて面談するのはご法度です。
そのため、本記事で紹介するロープレでの質問例や口頭試問の回答例は、あくまでご自身の引き出しを増やすためとしてご活用ください。
キャリアコンサルタントとしてもっとも大事なのは、CLに寄り添い、傾聴し、信頼関係を築くことです。
「資格試験に合格するため」ではなく、「キャリア支援するため」に一人ひとりと真摯に向き合うことをぜひ大切にしてください。
キャリアコンサルタント面接対策としてやった5つのこと
私は面接対策として、試験1〜2ヶ月前から次の5つを行いました。
1.真似したい質問例を書き出した
2.感情にまつわる語彙を増やした
3.養成講座のクラスメイトとロープレ練習した
4.自分の得意・苦手の傾向をまとめた
5.口頭試問のイメージトレーニングをした
それぞれ詳しく解説していきます。
1.真似したい質問例を書き出した
「CC(キャリアコンサルタント)としてどんな問いかけをしたらよいかわからない」というのが当初の一番の課題だったため、まずは真似したい質問例や問いかけのパターンをノートにまとめました。
参考にしたのは、養成講座のテキストや逐語記録、論述の過去問などです。
試験直前になって「養成講座のときから講師の質問例をメモしておけばよかった〜!」と後悔したので、これから養成講座に通う方・いま通っている方は、ぜひ今日から実践してみてください。
私が試験対策としてまとめた質問例は以下の記事で紹介しています。質問の意図や語尾などの細かいポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
2.感情にまつわる語彙を増やした
問いかけのパターンだけでなく、感情にまつわる語彙も増やしました。
自分の感情を上手く言語化できないCLは多いため、喜怒哀楽の表現を増やすことで、「◯◯な気持ちなのですね」とCLの感情を適切に表現できると考えたからです。
CLの言葉をそのまま使う「伝え返し」だけでも十分だと思いますが、「悲しい」「嬉しい」だけでは表現しきれない複雑な感情を的確に言い表すことができれば、CLとの信頼関係構築につながります。
また語彙力を鍛えることは、ロールプレイだけでなく、口頭試問対策としても有効です。
▶︎喜怒哀楽ごとの感情表現が一覧で見られる「日本語表現インフォ」
3.養成講座のクラスメイトとロープレ練習した
1〜2で事前準備&脳内シミュレーションができたら、あとは実践あるのみです。面接練習を重ね、まずは「15分ロープレ+口頭試問」の試験形式に慣れましょう。
私の場合は、養成講座のクラスメイトとZoomで計5回ほどロープレ練習を行いました。
また「初対面の人と緊張感がある中やりたい!」とも思ったので、試験2週間前はLINEのオープンチャットでのロープレ練習会に参加しました。
「受験者同士でアドバイスしあっても意味ないのでは?」という方もいますが、練習を重ねながら互いに励まし合い、試験当日までのモチベーションを高められたのは、やる気にムラのある私にとっては非常によい機会でした。
また、ロープレ練習する中で「真似したい質問」が出てきたら都度メモし、1のノートに書き足していきました。
4.自分の得意・苦手の傾向をまとめた
3のロープレ練習は、ただ回数を重ねるだけでは意味がありません。
自分の癖や未熟な部分を把握し、次のロープレで苦手を克服できるようにすることで、成長スピードを圧倒的に高められます。
また、苦手分野だけでなく、得意分野にも着目するのがポイントです。
面接の口頭試問では「CCとしてできたこと」も聞かれるため、CL役やオブザーバーの意見をもとに、自分のプラス面も客観的に評価できるようにしましょう。
5.口頭試問のイメージトレーニングをした
ロープレ練習だけでなく、その後の口頭試問もしっかりと対策しました。
以下のように、口頭試問で聞かれる内容は受験団体ごとにある程度決まっています。
JCDA |
キャリ協 |
①CCとしてできたこと・できなかったこと ②CLの主訴 ③CC視点の問題 ④今後の展開 ⑤資格の活用方法 |
①CCとしてできたこと・できなかったこと ②今後の展開 (CLの主訴やCC視点の問題を踏まえて回答) |
※上記以外も質問される可能性があります。あらかじめご了承ください。
解答内容はケースによって異なるため事前に準備できませんが、解答の「型」はあらかじめ用意できます。
また、4で自分の得意・苦手の傾向を押さえていれば、「CCとしてできたこと・できなかったこと」もいくつかのパターンを想定できます。
口頭試問はロープレ後すぐに行われるため、「パッと言語化できない」「上手くまとめられず、話が長くなってしまう」という方こそ、事前に解答パターンを用意しておくのがオススメです。
口頭試問が終わってから「あれも言えばよかった!」と後悔する人も多いため、伝えたいことを全部伝え切るためにも、自分なりの「型」を事前に作っておくのは効果的です。
私が作った口頭試問の解答テンプレートは以下の記事で紹介しています。JCDA向きの内容になりますが、実際に私が試験で答えた内容も記載していますので、ぜひ参考にしてください。
キャリアコンサルタントのNG言動を再確認するのも大事
「CLの気づきにつながる質問をしないと」「養成講座の講師のように上手く進めないと」などと、「加点評価されるため」の視点で面接対策する方は多いと思います。
しかしキャリアコンサルタント試験では、CLとの信頼関係構築がもっとも大切です。
そのため今一度、キャリアコンサルタントとして絶対にやってはいけない言動を押さえ、「減点評価によって不合格とならないため」の視点でも面接対策しましょう。
JCDAの論述試験ではよく、以下のパターンが不適切な例として出題されています。
1.CCの価値観で決めつける
「課長職は誰でもなれるわけではないので、いいチャンスじゃないですか。」
「自信がもてないのは経験が足りていないからですよ。」
2.CLの悩みを一般化する
「異動した直後は誰だって大変ですし、不安になりますよ。」
「目標がないと誰だって意欲はなくなるものですよ。」
3.安易な助言や励ましを行う
「まだ異動して3ヶ月ですし、これから少しずつ慣れていきますよ。」
「Aさんは実力があるから大丈夫ですよ。」
4.CCの価値観で一方的に提案する
「フリーランスになるのは現実的ではないですし、今の仕事を続けるのがベストではないでしょうか。」
「転職できるか不安なら、まずは資格をとってみてはいかがでしょうか。」
5.問題解決を急ごうとする
「今の部署で意欲が出ないなら、転職を検討してみてはいかがでしょうか。」
「視野を広げて他の業界を見てみるのはどうですか。」
まとめ
国家資格キャリアコンサルタントの面接試験は、問いかけのバリエーションや感情にまつわる語彙を増やし、口頭試問の回答の「型」を事前に作っておくのがポイントです。
また、試験ではCLとの信頼関係構築がもっとも大切なため、無理にテクニックを使おうとせず、キャリアコンサルタントとしてのNG言動を避けることも重要です。
面接試験はとても緊張すると思いますが、これまで積み重ねた努力は自信につながり、自信がつけば当日落ち着いて試験に臨めるようになります。
ぜひ本記事を参考にして面接対策を進めてみてください。皆さんの努力が実を結びますよう祈っております!