「早期選考は受けた方がいい」と聞いたことはあるものの、具体的にどんなメリットがあるのかわからず、不安や焦りを感じている人は多いと思います。
そこで本記事では、日系大手メーカーで新卒採用を担当していた筆者が、早期選考のメリット・デメリットを人事の視点で徹底解説していきます。
・早期選考のメリット、デメリット
・早期選考に参加している人の割合
・早期選考が受かりやすい理由
・企業が早期選考をする理由
・早期選考を受ける3つの方法
目次
早期選考とは?就活生の6割以上が参加済み
早期選考とは、就活が解禁となる3月1日よりも前に行われる選考のこと。
就活ルールが無くなった21卒以降は、早期選考を実施する企業が年々増えてきています。
実際、22卒では企業の4割以上が早期選考を実施しており、就活生の6割以上が早期選考の面接を経験しています。
つまり、早期選考に参加していない就活生の方が少数派。「3月1日から本気出す!」では、他の就活生から大きな後れをとってしまうのです。
早期選考5つのメリット
このような理由で、早期選考に参加するのをためらっている人も多いかもしれません。
しかし、忙しい人や自分に自信がない人ほど早期選考で得られるメリットは大きいです。
1.ES・面接のスキルを磨ける
2.自己分析を深められる
3.業界・企業研究の視野を広げられる
4.内定獲得できれば安心して本選考に臨める
5.就活を早く終えられる可能性がある
それぞれ詳しく解説していきます。
1.ES・面接のスキルを磨ける
早期選考を通して、ES(エントリーシート)や面接の練習ができます。
自分の想いを書いたり話したりするアウトプットは、得意・不得意よりも「経験」が大事。回数を重ねるほど確実に上手くなっていきます。
また、ESや面接を何度か経験すると、よく聞かれることや質問の意図が自然とわかってくるようになります。
練習なしに一発目から100点満点の回答ができる人はいません。面接に苦手意識がある人こそ、早期選考を活用してスキルアップしていきましょう!
2.自己分析を深められる
早期選考のES・面接での質問をきっかけに、ガクチカや長所・短所、これからやりたいことなどについて深く考えられるようになります。
とくに、面接で深掘りされて上手く答えられなかった質問=自己分析が甘い部分ということ。
面接官からのフィードバックを受け、新たな自分に気づくこともあるでしょう。
また、企業説明会や面接に参加する中で「この企業は魅力的だな」「この企業はイマイチだな」などと、企業に対してさまざまな印象を抱くようになります。
このとき、「なぜ魅力的(イマイチ)だと思ったのか」を深掘りすれば、就活で大事な「企業選びの軸」がはっきりしてくるでしょう。
3.業界・企業研究の視野を広げられる
さまざまな業界・企業の情報を集められるのは、早期選考の期間だけ。
3月1日以降はES提出や面接に追われ、多くの業界・企業をじっくり見ている時間はありません。
また、就活の途中で志望業界が変わるのはよくあること。
早期選考の時期にさまざまな業界・企業を知っておかないと、就活後半になってから業界研究・自己分析をやり直すことになります。
周りが内定をもらいはじめている中、ゼロから就活をやり直すのは、時間的にも精神的にもかなり辛いことです。
早期選考をきっかけに視野を広げ、本当に自分のいきたい業界・企業を見極めていきましょう。
4.内定獲得できれば安心して本選考に臨める
内定ゼロの状態で受ける面接と、内定が1つ以上ある状態で受ける面接とでは、精神的な余裕がまったく違います。
たとえ志望度が高くない企業からの内定だとしても、内定獲得は一つの成功体験。自分自身や就活のやり方に自信がもてるようになります。
そして一度自信がつくと、他の企業の選考も上手くいくようになります。
心の余裕から堂々と話せるようになり、面接での印象がさらによくなるでしょう。
もし早期選考で内定がもらえれば、安心して本命企業の選考へ臨めるうえに、さらなる内定獲得も可能となるのです。
5.就活を早く終えられる可能性がある
早期選考を受けず、大学3年生の後半〜大学4年生になってから就活をスタートさせた人は、就活が長引く傾向にあります。
自己分析や企業研究に十分な時間を割けなかったために、なかなか内定がもらえず、内定をもらえたとしても「本当にこの企業でいいのだろうか」とギリギリまで迷ってしまうのです。
一方、早くからES・面接スキルを磨き、自己分析や企業研究を深めてきた人は、本選考をスムーズに進められます。
つまり、早くから就活をはじめた人ほど、早く就活を終えられるのです。
部活やゼミがどんなに忙しくても、「納得のいく就活」と「充実した大学生活」を両立させたいのなら、早期選考への参加を検討してみましょう。
早期選考3つのデメリット・注意点
早期選考はメリットがたくさんある一方、リスクがあるのも事実です。
1.本選考を受けられない可能性がある
2.自信を失くしてしまう可能性がある
3.オワハラを受ける可能性がある
それぞれ詳しく解説していきます。
1.本選考を受けられない可能性がある
企業によっては、早期選考に落ちたら本選考を受けられない可能性があります。
志望度が高い企業の早期選考を受ける場合は、入念な選考対策と情報収集が必須です。
本選考で再チャレンジできるかどうかは、次の方法で確認できます。
1.早期選考の募集要項を確認する
2.人事部に問い合わせる
3.前年度のクチコミを見る
前年度のクチコミを見るなら、上場企業から中小企業まで1,000社以上の情報があつまる「就活ノート」がとくにオススメです。
選考形式・実際に通過したESの回答内容・面接のポイントなど、先輩がまとめたリアルな選考情報・体験談が無料で見られます。
就活は情報戦。選考内容を事前に調べ、入念にシミュレーションしておくことで、合格となる可能性を高めていきましょう。
2.自信を失くしてしまう可能性がある
本選考に向けて自信をつけるつもりが、早期選考によって逆に自信を失くしてしまう可能性もあります。
しかし就活は、「能力が高い=合格」ではなく、「企業と相性がいい=合格」。どんなに優秀で高学歴な人でも、不合格になったり、心が折れる瞬間はあります。
万が一、落ち込むようなことがあっても、「この企業とは縁がなかっただけ」「早い段階で自分の課題に気づけてよかった」とポジティブにとらえることが大事です。
不合格になってショックを受けるリスクよりも、早期選考で得られるメリットの方がはるかに大きいです。
失敗を恐れることなく、積極的に早期選考へ挑戦しましょう。
3.オワハラを受ける可能性がある
もし早期選考で内定がもらえた場合、「今後は他社の選考を受けないように」と内定先からオワハラを受ける可能性があります。
しかしオワハラは全然断ってOK。過度なオワハラは違法行為ですし、本当にいい企業なら「まだ迷っている」と正直に話せば内定承諾の期限を延長してくれるはずです。
もし人事に本音を話すのが怖かったり、オワハラを断る自信がない場合は、一度内定承諾してしまうのも一つの手。内定承諾書に法的拘束力はありませんので、安心してくださいね。
【人事の本音】早期選考は企業側のメリットも多い!
早期選考で得するのは、就活生だけではありません。実は、企業側にも多くのメリットがあります。
・本選考より優秀な学生が集まりやすい
・選考を早く終わらせられる
・知名度やイメージUPにつながる
上記のメリットがあるからこそ、早期選考を実施する企業が年々増えているのです。
とくにベンチャーや中小企業は、「早期選考で面接練習ができる」「面接官からフィードバックがもらえる」などとクチコミを広めてもらうことで、知名度UPやエントリー数の増加をはかっています。
【人事の本音】早期選考は本選考よりも受かりやすい!
競争率が高くて、本選考より難しいのでは?
たしかに早期選考は優秀な人ほど積極的に参加するため、競争率は高く感じるかもしれません。
しかし実際は、次の2つの理由から本選考よりも受かりやすいのです。
1.合格者数を調整しやすいから
2.選考フローが特別だから
本選考と比べて早期選考の合格基準がゆるかったり、面接が簡単なわけではありません。
それぞれどういうことか、詳しく解説していきます。
1.合格者数を調整しやすいから
早期選考は、本選考よりも合格者の人数を調整しやすい(定員に余裕がある)ため、受かりやすいといえます。
本選考では定員に応じて合格者数を決めますが、早期選考では次のように「基準を満たしていれば全員合格!」となり得るのです。
早期選考の場合(受かりやすい)
本選考の場合(受かりにくい)
また、早期選考は、本選考と比較して内定辞退率が高い傾向にあります。
はじめから内定辞退を想定して多めに内定を出していることも、早期選考が受かりやすい要因です。
2.選考フローが特別だから
早期選考は、合格基準こそ本選考と同じですが、選考フローが特別で受かりやすい傾向にあります。
とくに、インターンシップや逆求人サイトでのスカウト経由の場合、書類選考や一次面接が免除になるケースが多いです。
なぜなら、「インターン選考を突破している=自己PR・ガクチカが評価されている」、「スカウトされた=プロフィール・適性検査の内容が評価されている」ということ。すでに企業から高評価を得ているのです。
ただし油断は禁物。有利な選考フローとはいえ、不合格になることも十分ありえます。しっかり準備・対策してから臨みましょう。
早期選考のチャンスをつかむ方法3選
面接練習や自己分析の役に立ち、本選考より受かりやすい早期選考。今すぐ挑戦しなきゃ損ですよね。
そこで、コネや事前準備は一切不要、誰もが今すぐ早期選考に挑戦できる方法を3つ紹介します。
1.選考直結の就活イベントに参加する
2.逆求人型の就活サイトに登録する
3.インターンシップ経由で参加する
それぞれ詳しく解説していきます。
1.選考直結の就活イベントに参加する
最もオススメなのが選考直結の就活イベント。誰でもすぐに選考を受けられ、早期内定のチャンスをつかめます。
とくに「MeetsCompany(ミーツカンパニー)」は、サイトに登録し、参加したい日程・会場を選ぶだけでOK。
イベント当日は、合同企業説明会のように各企業のブースをまわり、気になる企業があったらその場で面接に挑戦できるようになっています。
いきなり面接するのは勇気がいるように感じますが、「企業研究と面接練習が同時にできる」一石二鳥の方法です。
2.逆求人型の就活サイトに登録する
次にオススメなのが、逆求人型の就活サイトです。サイトに登録し、企業からのオファーを待つだけで早期選考のチャンスがつかめます。
スカウトをもらうためにはプロフィールを細かく記載する必要がありますが、エントリーシートを書く練習だと思って、この機会にぜひ登録してみましょう。
数ある逆求人型サイトの中でもっともオススメなのが「OfferBox」です。
約24万人の就活生が利用しており、登録者の93.6%がスカウトを受け取っています。
大学3年生の6月頃からスカウトを送る企業が増えはじめるため、出遅れないよう今すぐ登録しましょう。
関連記事:逆求人とは?メリット・デメリット、オファーを増やすコツを解説
3.インターンシップ経由で参加する
インターンシップ経由で早期選考に参加することもできます。
企業によってルートはさまざまですが、大きく次の3タイプに分けられます。
1.インターンシップの参加者全員が早期選考に参加できる
2.インターンシップで高評価を得た人だけが早期選考に参加できる
3.インターンシップが内定に直結している
しかし、インターンシップという名目で選考することは原則禁止されているため、企業サイトなどでは情報公開されていません。
志望企業に内定直結インターンや優遇ルートが存在するかどうかは、「就活ノート」などのクチコミ情報で調べましょう。
今すぐ上記3つの方法に挑戦してみてくださいね!
いち早く動きはじめた人から内定のチャンスをつかむ
面接練習や自己分析の役に立ち、本選考より受かりやすい早期選考。就活成功のカギは、早期選考にあるといっても過言ではありません。
就活は辛くて面倒くさくて気が進まないかもしれませんが、それでも自分自身を駆り立てて、いち早く動きはじめた人から内定のチャンスをつかみます。
今回紹介した「MeetsCompany」・「OfferBox」・「就活ノート」は、早くから就活スキルを磨き、内定獲得するのに必須のサービスです。
ぜひ今すぐ登録し、早期選考に向けて動き出しましょう!