キャリアコンサルタントの資格は意味ない?取得から1年経ってわかった利点と欠点

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キャリアコンサルタントの資格は意味ない?

国家資格であるキャリアコンサルタントは、取得して意味ないことはありませんが、時間とお金がとてもかかるため、「資格をとる目的や理由」がない人にはオススメしません

「とりあえず」や「なんとなく」で資格取得してしまうと、「頑張って取ったのに意味がなかった」「割に合わない」と感じてしまう恐れがあります。

逆に、以下に当てはまる場合は資格取得がオススメです。

  • 資格をとる目的や理由がある
    (現職で活かしたい、希望の部署にいきたい、人材業界に転職したいなど)
  • お金と時間の余裕がある
  • キャリアに関する正しい知識を身につけたい
    (キャリア理論、カウンセリング理論、労働法令、労働市場の動向など)

本記事では、キャリアコンサルタントの資格取得から約1年たった私の率直な感想をお伝えします。

資格を取ろうか迷っている方はぜひ参考にしてください。

元人事Mayuka
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キャリアコンサルタントの養成講座に通い、第25回試験で一発合格しました!

資格を取ってよかったこと・不満に感じていること、どちらもお伝えします

 

キャリアコンサルタント資格は「取得する目的」がないと意味ないかも

国家資格であるキャリアコンサルタントは、取得してまったく意味がないことはありませんが、時間とお金がとてもかかるため、「割に合わない」と感じる人は一定数います

どの資格でも言えることではありますが、資格取得は「目的」が大事。

「なんのために資格をとるのか」「資格をどう活かしたいか」というプランやビジョンがなければ、資格をとっても「意味ない」と感じてしまうでしょう。

元人事Mayuka
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キャリアコンサルタントの受験資格は以下の通り。3年以上の実務経験がない人は、養成講座に通う必要があります

キャリアコンサルタント試験の受験資格

1.厚生労働大臣が認定する養成講座の課程を修了した人

2.職業選択などの相談業務の経験がある人(3年以上)

参考:厚生労働省(キャリアコンサルタントになりたい方へ)

1の養成講座に通う場合は、約40万円(※)と150時間が必要です。

教育訓練給付制度を利用すれば、最大80%の学費が戻ってきます

このように、キャリアコンサルタントの資格はめちゃくちゃお金と時間がかかるため、正直なところ「なんとなく」で資格取得するのはオススメしません

「現職で活かしたい/希望の部署にいきたいから」「人材業界に転職したいから」「キャリアコンサルタントになりたいから」など、明確な理由がなければ「頑張って取ったのに意味がなかった…」と後悔してしまうでしょう。

元人事Mayuka
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通学も試験勉強も大変なので、何かしらの目標がないと、資格取得までのモチベーションも維持できないと思います。

ネガティブなことばかり伝えてしまいましたが、「それでもやっぱり気になる…!」という方は、一度無料説明会に参加してみるのがオススメです。

キャリアコンサルタント養成講座を開講している日本マンパワーでは、無料説明会に参加すると受講料が1万円OFFになりますよ。

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キャリアコンサルタント資格を取ってよかったこと

ここからは、資格取得後から約1年経った私個人の感想をご紹介します。

資格取得してよかったと感じたのは以下の6つです。

資格取得のメリット
  1. 社会的信用や権威性が高まった
  2. 労働関係法令のリテラシーが高まった
  3. 自分の「認知のゆがみ」に気づけた
  4. 他人の言動にイライラしなくなった
  5. 幅広い年代のキャリコン仲間ができた
  6. 未経験OKの求人も探せばある

 

それぞれ詳しく解説していきます。

1.社会的信用や権威性が高まった

私が資格取得を目指した理由でもあるのですが、資格取得後は社会的信用や権威性が高まり、仕事に対する自信がつきました。

前職では、新卒採用しながら学生のキャリア相談にものっていたため、実は養成講座に通わなくとも受験資格は満たせていました。

しかし、ライターとして記事執筆する以上、読者や取引先に安心感を与えたい&正しい情報を届けたいという気持ちから、養成講座で一から学び直すことを決めました。

私の経歴

▶︎メーカーに新卒入社

▶︎営業から人事部へ異動
(新卒&第二新卒の採用担当)

▶︎採用領域専門のライターとして独立
(人事向け・求職者向けの記事を執筆)

結果的に、キャリア理論・カウンセリング理論・心理学・労働法令・労働市場の動向など、幅広い知識を身につけられ、想像以上に自信がつきました。

資格取得した結果、個人事業主として堂々と営業や交渉ができるようになったのは、非常に大きなメリットに感じています。

元人事Mayuka
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ここだけの話、資格取得後は原稿料をちょっとだけ引き上げさせていただいたので、経済的なメリットも得られました。

2.労働関係法令のリテラシーが高まった

労働基準法や労働契約法、育児・介護休業法など、労働関係法令に関する正しい知識が身につけられたのもメリットに感じました。

法律って会社じゃ教えてもらえないですし、なかなか自分で勉強する機会もないと思います。

キャリアコンサルタントの養成講座を通じて、正しいルールや自分が利用できる制度、困ったときの相談窓口など、自分の身を守るための知識が身につけられたのは大きな収穫でした。

元人事Mayuka
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雇用保険・健康保険・国民年金など、申し出れば支給されたり免除されたりする系の社会保障制度にも詳しくなりました!

3.自分の「認知のゆがみ」に気づけた

キャリアコンサルタントの養成講座では、相談者の悩みや本音を引き出すためのカウンセリング理論も学びます。

とくに、実践も交えて重点的に学ぶのが認知行動療法というアプローチです。

認知行動療法とは

認知(ものの考え方や受け取り方)や行動に働きかけて、ストレスを軽減したり、気持ちを楽にしたりする心理療法のこと。

認知行動療法では、「なぜそう思うのか」「どんなときにそう感じるのか」などと問いかけることで、悩みの根本的な原因や問題点を探っていきます。

この認知行動療法を習得した結果、自分自身にも問いかける癖がつき、マイナス思考や完璧主義に陥ってしまう原因となる「認知のゆがみ」に気づくことができました。

認知のゆがみとは

考え方の癖のこと。

認知がゆがんでいると、物事を客観的にとらえたり、柔軟に考えたりすることが難しく、思い込みによって自分自身を苦しめてしまうことがある。

自分を責めてしまったり、他人の言動にイライラしたとき、「なぜそう思うんだろう?」と冷静かつ客観的に分析できるようになったのはとても大きな成長でした。

元人事Mayuka
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認知行動療法が気になった方は、以下の記事もぜひ読んでみてください!

認知行動療法を学習したAIによるメンタルケアアプリのレビューをしています。

【レビュー】心理学×AIのメンタルケアアプリ「Awarefy」を半年使ってみた

4.他人の言動にイライラしなくなった

3でも触れましたが、認知行動療法を学んだことで、他人の言動の受け止め方が変化しました。

以前は、「こんなひどいことを言うなんて冷たい人だ!」などと、相手の性格や価値観を勝手に決めつけ、イライラしたり落ち込んでしまうことがありました。

しかし、認知行動療法を学んだ後は、「疲れているのかも」「なにか嫌なことがあったのかも」などと、相手の背景を想像する癖がつき、冷静に対処できるようになったと思います。

また、「きっと自分はこう思われているんだろう…」と勝手に落ち込んだり、被害妄想してしまうことも減りました。

ネガティブな気持ちになったとき、「いま自分は認知のゆがみのどのパターンに陥っているんだろう?」と俯瞰的に考えられるようになったのは大きなメリットでした。

就活がしんどいのは「認知のゆがみ」が原因かも?心を軽くする対処法を解説

5.幅広い年代のキャリコン仲間ができた

養成講座の受講生は20代〜60代と幅広く、さまざまな年代・職業の方と交流できたのはとてもよい刺激になりました。

元人事Mayuka
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1クラス20名制、座学+ロールプレイ形式のため、講座を通じて自然と仲良くなれます!

資格取得を目指す理由も人それぞれ。自分より年上の方が多く、10年後〜30年後のキャリアを考えるきっかけにもなりました。

・現職で活躍したいから
(人事部、転職エージェント、就労支援センターなど)

・希望の部署に行きたいから

・セカンドキャリアを切り拓きたいから

・キャリアコンサルタントとして独立したいから など

キャリアコンサルタントの養成講座だからこそ、キャリアに対して意欲的&前向きな方ばかりで、「私も将来こんな風になりたい!」と思う素敵な方ばかりでした。

養成講座に通っていなければ、年齢も職場も違う同志とは出会えなかったと思います。

元人事Mayuka
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資格を取った後も、定期的に集まって飲み会&情報交換してます!

6.未経験OKの求人も探せばある

「資格をとっても、キャリア相談の実務経験がなければ就職できないのでは?」と不安に思う方は多いですが、実際はそんなことありません。

求人サイトで探せば全然ありますし、養成講座のスクールから定期的に案内がきます。

また、ACCNというキャリアコンサルタントの職能団体に入会すれば、有資格者向けの求人情報を検索でき、勉強会でスキルアップもはかれます。

未経験キャリコンが仕事を探す&経験を積む方法については、以下の記事もオススメです。

元人事Mayuka
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働き方が多様化している&キャリアの悩みはどの年代も尽きないため、キャリアコンサルタントが活躍できる場は今後さらに増えていくと思います。

キャリアコンサルタント資格で不満に感じていること

今度は逆に、資格取得してから「ここはどうにかならないかな〜」と不満に感じたことをご紹介します。

資格取得のデメリット・注意点
  1. 養成講座に通っても5割が不合格になる
  2. 資格取得後もお金と時間がかかる
  3. キャリア相談は資格がなくてもできる

 

それぞれ詳しく解説していきます。

1.養成講座に通っても5割が不合格になる

国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率は60%前後。一発合格できる人は50%未満です。

社労士や宅建士など、他の資格と比べて合格率は高いかもしれませんが、計150時間の講座を受けても半数しか合格できないって、けっこう厳しい世界だと思います。

キャリアコンサルタント試験は、そもそもの受験資格を満たすまでが大変・実技試験もあってハードルが高い・受験料が約4万円(学科8,900円/実技29,900円)と高いため、記念受験する人はほとんどいません。

本気で合格を目指していても、なかなか合格できない難しい資格なのです。

元人事Mayuka
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養成講座で仲良くなった方がことごとく落ちてしまったのはかなりショックでした…。試験が年に3回ある(3月・7月・11月)のはまだ救いかも…。

2.資格取得後もお金と時間がかかる

キャリアコンサルタントの資格は5年ごとに更新が必要です。

資格をとる前は「運転免許のように気軽に更新できるもの」だと思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。

資格の更新に必要なもの

  1. 更新手数料
    8,000円
  2. 更新講習
    知識講習8時間以上(8,500円〜)
    技能講習30時間以上(75,000円〜)

※上位資格の「キャリアコンサルティング技能士」に合格した場合は免除
※実務に従事or指導を受けた場合は、最大10時間分の技能講習が免除

参考:国家資格キャリアコンサルタントWebサイト(更新申請について)

元人事Mayuka
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労働市場は目まぐるしく変化するので、知識のアップデートは必須。

でも、5年ごとに約10万円と38時間以上もかかるなんて知らなかった…

資格をとる・保持する理由は人それぞれですが、取得や更新にかかるお金を5年間でペイできるかという視点は大事だと思います。

実際のところ、「やっぱりいらないからいいや」と更新せずに失効した方を数名知っています。

前述の通り、資格取得のメリットはたくさんありますが、時間とお金がかかるからこそ今後のキャリアプランを考えたうえで判断するのがオススメです。

3.キャリア相談は資格がなくてもできる

キャリアコンサルタントは業務独占資格ではありません。名称独占なだけです。

業務独占資格
資格をもっている人だけが、独占的にその仕事を行うことができる
ex.)医師、弁護士、税理士、宅建士、社労士

名称独占資格
資格をもっている人だけが、その名称を名乗ることができる

ex.)キャリアコンサルタント、調理師、栄養士、保育士

事実、キャリアコンサルタント資格をもっていないキャリアアドバイザー・キャリアカウンセラーはたくさんいます。

キャリア相談や就労支援は、相談者の人生に影響を与えうる重大な仕事のため、有資格者だけができる仕事にしてほしいところですが、実際はそうではないのが歯痒いところ。

また、資格があれば転職で有利になるのは間違いありませんが、無資格でも即戦力となる人材の方が採用されやすいというのは、釈然としないかもしれません。

Aさん:資格あり、キャリア相談の実務経験なし

Bさん:資格なし、キャリア相談の実務経験10年以上

経験豊富で即戦力となるBさんの方が採用される可能性あり

元人事Mayuka
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養成講座でしっかり学んで資格取得した身としては、過去の私も含め、無資格でキャリア相談にのっている人の危うさが気になってしまう…。

まとめ:資格をとる目的がある&正しい知識を身につけたいならオススメ!

資格をとってから約1年経った私が感じたメリット・デメリットは以下の通り。

キャリコン資格のメリット

  1. 社会的信用や権威性が高まった
  2. 労働関係法令のリテラシーが高まった
  3. 自分の「認知のゆがみ」に気づけた
  4. 他人の言動にイライラしなくなった
  5. 幅広い年代のキャリコン仲間ができた
  6. 未経験OKの求人も探せばある


キャリコン資格のデメリット

  1. 養成講座に通っても5割が不合格になる
  2. 資格取得後もお金と時間がかかる
  3. キャリア相談は資格がなくてもできる

ネガティブな部分も正直に話しすぎてしまいましたが、

  • 資格をとる目的や理由がある
  • お金と時間の余裕がある
  • キャリアに関する正しい知識を身につけたい
    (キャリア理論、カウンセリング理論、労働法令、労働市場の動向など)

という方は、資格取得がオススメです。

養成講座の受講や試験対策は大変ですが、仕事だけでなくプライベートな場面でも役立つため、労力に見合う価値は感じられると思います。

本記事を読んで「資格をとってみたい!」と思った方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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